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井の中の蛙、天下を論ず
−二千年もの間、長生きしている諺−

■荘子の言葉

「井戸の中の蛙、大海を知らず」とは、今から二千数百年前に活躍した思想家、荘子(名は周)の言葉である。我が国では、この言葉を下敷きに鎌倉時代から江戸中期にかけて、盛んに使われたことわざである。現代でもよく使われていて、最も長生きしているものの一つ。

自己の知識が最高だと思いこみ、殻に閉じこもって、他にもっと広く深い知恵のあることを知らない”世間知らず”の例え。 参考までに、原典ではこうなっている。

『井魚(蛙)不可以語於海者、拘於虚也。』(『荘子』秋水篇)

■四匹の蛙の話

それぞれ違った場所に住み、それぞれの”住家”によって世界観は異なる蛙たち。その四匹の蛙が言い争った。

「世界」とは、
光だ!・・・日当たりの良い、外堀の井戸に住む蛙
雨だ!・・・雨戸の下の井戸に住む蛙
沼だ!・・・納屋の井戸に住む蛙
闇だ!・・・日の当たらない井戸に住む蛙

紫砂器 紫砂器

■上図の井戸(盃)に住む蛙の話

古来、お茶には何千種類とあるが、この茶器は今から一千年前の宋代のものと言われる。

驚いたことにこの井戸(盃)は、注いだお茶によって蛙の眼光が変わり(世界が変わり)、目をキョロキョロさせて今にも飛び上がろうとするのだ。これは事実、実験、実証の上でのことだからホントの話。しかしこの茶器が大昔、どういう作法で作られたかは、不明。

しかし彼らは決して飛び出そうとしない。今住んでいる場所が、彼らにとって最高の場所なのだから。

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