「不辣不革命」−辛いものを食べられなければ革命など起こせるものか−
![]() |
| <毛沢東が生活していた部屋> |
| 部屋は当時のまま残され、店主が壁に額を掲げて毎日掃除している。 |
■長征のスタミナ源
かつて中国全土長征の先頭に立って全軍を引率した毛沢東は、スタミナが尋常ではなかった。長征の途中に軍営した小屋(山東省青島から北へ数キロ先の寒村)が今もそのまま保存されており、一般食堂として公開されている。以下は、この店の主人(当時少年)が語った毛沢東の回顧録である。
「まず輜重隊が山野に分け入って野豚を捕らえ、殺して血を抜き、頭から長剣を縦に通して火であぶり外毛を焼く。次に腹を開いてバラ身を取り出し角切りにする。
これを大鍋に入れ、赤唐辛子とニンニク、ネギをたっぷり入れて炒める。火が通ったところで更に赤唐辛子をボンボン加えて、鍋が真っ赤に膨れ上がったんだからすごかったなぁ。」
「毛沢東は白酒(60度の蒸留酒)をストレートでぐいぐい飲り乍ら、赤唐辛子であふれる皿を次々と平らげていたよ。それにしても毛沢東は赤唐辛子が好きだったなぁ。いつでも生でボリボリ食べていたよ。
![]() |
![]() |
| 当時の野戦食堂は、現在そのままの姿を保存しつつ、大衆食堂としてにぎわっている。 | |
■「怕」「不」「辣」を並び替えただけで
辛さにもいろいろあるが、辛い食べ物を前にした時の反応も人それぞれ。日本だと西と東で味が濃い・薄いという程度だが、広大な中国では地方毎に特色有る料理があり、味の濃淡から辛い、甘いなど様々な違いがある。
下の3つの言葉は辛いものを前にした時の心理を、「怕」「不」「辣」の3つの漢字を使って表現したものだが、、順序を入れ替えると意味するところは全く違ってくる。
| 四川省・・・不怕辣(四川人は辛いものを恐れず) |
| 湖南省・・・怕不辣(湖南人は辛くないことを恐れる) |
| 江蘇省・・・辣不怕(辛いか酸っぱいか、味の深さで舌鼓) |
四川と湖南は辛さの世界一を競うが、幼い頃から麻婆豆腐などの辛い料理に親しんでいる四川人でも、湖南料理の辛さにはついていけないとか。これが江蘇料理になると、味の深さを楽しむという風になり、料理の味付けは辛さだけではない、となる。


